オンドルシステムの進化

 2018年に平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックの時、選手村の宿舎として現代式オンドルが設置されたマンションが提供されたことがあるのですが、そのオンドルの暖かさと居心地の良さで、試合に疲れた多くの外国の選手たちに熱い愛をもたらせたようです。

 온돌(日本語では発音の通りに、オンドルと表示し、 漢字では、溫突または 溫堗と書く)のシステムは、床の下に敷かれる大き目の石板が敷かれ、さらにその下に空気が通られる道が設けられ、そこを薪(たきぎ)を燃やしてできた熱気がその道を通ることで、その熱気により石板が暖まり、その暖まりが床を通って床上にまで伝わり、部屋全体が暖まる暖房方式です。

Ondol
Ondol Incheon Wolmido Park 2

 従来のオンドルは一度暖められると長い間暖かくなる(分厚い石板が長く熱を保つことから)が、そのためには、当時の燃料減となっていた薪(たきぎ)をたくさん使わないといけませんでした。これが、近代化初期までの森林の荒廃化の原因にもなったわけです。

 1960年代以降、産業化が進むにつれて、熱源が薪(たきぎ)から、練炭に変わり、石板もコンクリートに置き換わるようになりました。ところが、熱によりコンクリートが劣化し、そこからヒビが入って、不完全燃焼した一酸化炭素がそこから漏れ出して、練炭ガスによる中毒事故が数多く発生していた不運のこともしばしばありました。

写真出所:大韓ニュース 第1313号

写真出所:https://ostone.tistory.com/3

 その後、西洋のボイラー技術とオンドル技術がうまく融合され、開放式温水オンドルシステムという画期的な暖房システムが生み出されたのです。このシステムにより、熱源は、練炭からガスや電気に変わり、熱気は空気から温水パイプに変わったわけです。つまり、ボイラーで沸かした温水をパイプを通して循環させることで、部屋全体を暖めるシステムとなりました。

 ところが、最終の熱伝導体である床だけは、コンクリート(セメントと砂などが配合)のままの状態がいまだに、続いている建物が多いのです。これが、いわゆる湿式暖房方式のオンドルシステムと呼ばれる技術ですが、これには、いくつかの問題やリスクが指摘されています。

(1)施工期間が長い時間がかかること(コスト増加要因)

(2)ホースの周りをセメントなどの配合物で固めるため、荷重がかかること

(3)瑕疵に対する補修が困難でコストも掛かること

(4)専門技術者による施工が必要でコスト増加の原因となること

(5)施工工程が非常に複雑であること

(6)施工後の床の厚さが50-80mmmとなり、蓄熱の効果はあるが、温まるまで時間がかかるため、熱の電導効率が悪く、電気代アップの問題が生じること

(7)コンクリートを打ち込んでから固まるまでの一定期間(最低5日ほど)は、水和反応に必要な水分が不足しないようにする養生が必要であること

(8)長期にわたり、高熱がコンクリートに影響を与えるため、そこから人体に有害な物質が生じること

(9)床下の温水パイプの凍結や漏水などにより、暖房システム全体が壊れてしまうということです。この場合は、コンクリートを全部撤去し、再施工の必要が生じます

(10)工事期間中は、家の全荷物を別のところに臨時引っ越しをしないといけないこと

 この方式は、強度や蓄熱性があるというメリットもある反面、上に言及したように、施工時はもちろん施工後においては、維持コストやリスク要因が生じて、住居者にとっては、大きな負担と悩みの種となるわけです。その意味で、この方式は、効率が良いものとはいえないのが実情です。

写真出所:https://m.blog.naver.com/akakjin45/30134209247

写真出所:YOUTUBE 수신제가

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ホースの故障などで再工事の際には、セメントを全部取り壊して、同じ作業を行うことになりますので、大変な作業や負担となります。

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 この方式の問題を解消するために、最近注目されているのが、乾式暖房方式のオンドルシステムというものです。湿式暖房方式との一番大きい違いは、熱伝導体となるホースの外部に水の成分と接触するかしないかで区分します。つまり、湿式方式は、セメントや砂等が水と配合されてホースの周囲を一定の厚さで打ち込むのに対して、乾式方式は、電気線や温水パイプが水分を含んだセメントモルタルによって固まることがないので、ホースと接触しているパネルや床材とを容易に解体することができます。

 乾式方式は、パネルの素材や熱伝導帯の形式により、大きく2種類に分けられます。一つは、電気パネル(電気フィルムを含む)で、もう一つは、温水パネルです。 

 電気パネルは、電気フィルムとともに代表的な電気系列暖房方式で、日本でも現在主流となっているものといえます。最大のメリットは、比較的安くて、軽く、熱の伝導率が高く、設置も簡単であることにあるといえますが、寿命が短いこと、蓄熱機能がないこと、過電流による電線発熱、被爆溶融、アークによる被爆着火、漏電などで火災事故につながるリスクあるうえ、何よりも人体に悪影響を与える電磁波が発生することに最大の課題を抱えております。

 それに対して、温水パネルは、床に接している面には、基本的に電気が流れることがないので、安心できるものとして、最近注目を浴びております。しかしながら、市販されている殆どの温水パネルは、素材が、圧縮した発泡スチロールからなっており、その上に、鉄板を乗せるので、熱の伝導率は高いですが、鉄板伝導体の使用により、すぐ乾燥し、蓄熱機能が弱い問題があります。また、湿式方式ほどの強度がないため、長期間の使用や荷重のかかった場合は、パネル自体の厚さが、薄くなったりして、床鳴りや床浮き沈みの原因となりえます。

 湿式方式の長所である強度や蓄熱性を最大限に生かしつつ乾式方式の長所である熱伝導性と環境親和的な素材を開発し、暖房効率を高めることで、床暖房業界に画期的な革命をもたらそうとして、生まれたのが、弊社が取り扱うホヤオンドルの温水マットです。

 ホヤオンドルの温水マットが注目される理由は、以下のとおりです。

(1)素材が人体に優しい炭素複合物質からなっているため、韓国の伝統的な石板と同じ強度を持つことで、蓄熱機能を持ちながら、熱伝導機能も発揮できるようになりました。

(2)パネルの強度が優れているので、荷重に強く、床鳴りや浮き沈みの心配がなくなります。

(3)施工がとても簡単ですので、小さい空間(例えば、ベッドやリビング)であれは、専門業者に頼ることなく、一人でも何十分で設置が可能となります。

(4)製品構成がとてもシンプルに出来ているので、誰でも自由に解体や移動設置が可能です。

(5)蓄熱機能を発揮しますので、床表面だけではなく、部屋全体が温まり、快適に過ごすことが出来ます。

(6)湿式方式と乾式方式のそれぞれの長所を取り入れたハイブリッド暖房システムです。

(7)体に良いと知られている麦飯石が含まれておりますので、遠赤外線の放出効果により、美容や健康にも役立てております。

(8)設置が可能ですので、設置コストや維持コスト(電気代を含む)が大幅に節約出来ます。

(9)最先端の自動化生産設備を整えており、品質管理に万全を期しております。

(10)ホヤオンドルは、品質と安全を最優先に考えております。